堂脇 千鶴

インタビュー

「自宅で自分らしく過ごしたい」。
療養患者さんのその思いを支えたい

訪問看護ステーション(看護師)

堂脇 千鶴 Dowaki Chizuru

訪問看護ステーション千

どんなお仕事をされていますか?

ご自宅で療養されている方のもとへ訪問し、看護を提供するのが私たちの仕事です。体温や血圧を測って体調を確認し、必要な医療処置を行ったり、入浴のお手伝いをしたりします。また、ご家族の介護に関する相談に乗ることも大切な役割です。1日に平均4〜5件のお宅を訪問します。基本的に訪問は一人ですが、何かあればすぐに主治医の先生やステーションの仲間に連絡が取れる体制です。

訪問看護の道を選んだきっかけは何ですか?

15年間、急性期の病院で働いていました。病院での看護も非常にやりがいがありましたが、入院期間は患者さんの人生のほんの一部。退院後、病気を抱えながらどう生活していくのか、その先の人生にも関わりたいという思いが強くなっていったんです。治療が難しくなった方が最期の時間を過ごす場所として、「家で安心して過ごす」という選択肢を提供できる存在になりたい。40歳を前に、これからの看護師人生を考えた時、在宅の道を選びました。

病院での看護と比べて、大変なことは何ですか?

急に体調が悪くなった時など、現場で一人で状況を判断しなくてはならないプレッシャーはあります。夜間の当番中に電話があれば、不安な気持ちで待つご家族のもとへ駆けつけます。病院のように常に医師や同僚が隣にいるわけではないので、その責任の重さはひしひしと感じますね。また、関わる人の多さも病院とは違います。ケアマネジャーさんや在宅医の先生、デイサービスや福祉用具の方など、患者さんごとに関わる人たちが違うので、その連携が非常に重要になります。

反対に、訪問看護ならではのやりがいは何ですか?

病院にいる時よりも、「その人らしい生活」や「その人らしい最期」に深く寄り添えることです。ご自宅という「ホーム」の環境では、患者さんもご家族も本音を話しやすい。だからこそ、その方の本当の希望が見えてきます。たくさんの選択肢の中から、「どう生きたいか」を一緒に考え、その人らしい生き方を支えるお手伝いができる。辛い場面も見ていく仕事ですが、ご本人やご家族の思いが叶った瞬間に立ち会えることが、何よりのやりがいです。

仕事で大切にしていることは何ですか?

三つあります。一つは、患者さんとご家族に真摯に向き合うこと。二つ目は、自分の大切な家族にも受けてほしいと思える看護を提供すること。そして三つ目は、その方の過去・現在・未来という人生全体を捉え、「その人らしさ」を尊重することです。私たちは「こうすべきだ」と決めるのではなく、「こんな選択肢がありますよ」と情報を提供し、ご本人が自分の生き方を選べるよう、全力でサポートすることを大切にしています。

ワークライフバランスについて教えてください。

私たちは24時間体制なので、スタッフで交代しながら夜間の当番をしています。当番の日は、緊急用の携帯電話を持って自宅で待機し、連絡があれば電話で相談に乗ったり、必要であれば訪問したりします。月に平均6回ほど当番が回ってきますが、それ以外の日はしっかり休む。オンとオフの切り替えが大切ですね。

これからやっていきたいことを教えて下さい。

今、管理者として慎重に考えているのが、ステーションの規模です。依頼があれば応えたい気持ちは強いですが、利用者さんが増えすぎると、一人ひとりに丁寧に関わることが難しくなるのではないか、という懸念もあります。事業を大きくすることよりも、「信頼され続けるステーションであること」が一番の目標。どうすれば質を落とさずに、より多くのニーズに応えられるか。そこを大切に前進していきたいです。

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