インタビュー
「困ったときは相談しよう」。
そう思い出してもらえる地域密着の保健師に
保健師
南 香帆 Minami Kaho
田辺市役所 やすらぎ対策課
保健師を目指そうと思ったきっかけは何ですか?
小学生の時、学校の授業で「命の誕生」について、保健師さんが教えに来てくれたのが最初の出会いです。お腹の中で赤ちゃんが大きくなる模型を見たり、実際に赤ちゃんと触れ合う機会を作ってもらったりして、「保健師さんってすごいな」と子ども心に感動しました。もともと母が看護師だったこともあり看護の道へ進みましたが、大学の実習を通じ、退院後の地域での生活を支える保健師の仕事に改めて魅力を感じ、この道を選びました。
現在の主な仕事内容を教えていただけますか?
市町村の保健師は、妊婦や赤ちゃん、成人や高齢者などさまざまな対象者と接します。私は、去年までは特定健診や特定保健指導、病気を予防するための健康教室の企画など成人を対象に仕事をしていましたが、今は、介護保険の認定調査を担当しています。介護サービスを希望される方のご自宅や施設に伺い、日常生活のご様子や、どのくらいの介助が必要かなどを聞き取り・確認し、「介護認定審査会」に提出する資料を作成するのが主な業務です。
認定調査がある日の、1日のスケジュールを教えていただけますか?
1日に1〜2件のお宅を訪問します。朝8時半に出勤して準備をし、午前中に調査へ向かいます。調査は1時間から1時間半ほど。市役所に戻ってからは記録をまとめ、ご本人のご様子をより正確に把握するために、利用中のデイサービスなどに電話で状況を確認することもあります。判断に迷う時は先輩に相談しながら、次の準備をする、という流れです。
高齢者の方と接する上で、心がけていることはありますか?
丁寧な言葉遣いを基本に、相手の方を尊重し、まずはお話をしっかり聴くことです。そして、お話しされたことを否定しない。高齢の方に限ったことではありませんが、コミュニケーションの基本として常に心がけています。調査ではご本人がいつもより頑張ってしまうこともあるので、ご家族がいらっしゃれば、ご本人がいない場面で普段のご様子をそっと伺うこともありますね。
保健師としてのやりがいを感じるのは、どんな時ですか?
必要なサービスに繋ぎ、安心して地域で暮らすお手伝いができた時に、大きなやりがいを感じます。最近、お一人暮らしの認知症の方で、サービスの利用に抵抗があった方がいらっしゃいました。ご家族にも同席いただき、ご本人が困っていることに合わせて「こんなサービスが使えますよ」と具体的にお話しすることで、ようやく支援に繋がったんです。そういう瞬間は本当にほっとしますね。
これから、どんなことに挑戦していきたいですか?
いずれは母子保健の仕事にも携われたらな、と思っています。母子保健は、妊娠期から子どもの成長まで、母親と子供に伴走しながら見守れるやりがいのある仕事です。健診や相談などの個別支援だけでなく、母親や子供が交流しながら学べる教室の企画や子育てしやすいまちづくりにむけた事業など地域全体の健康づくりにも関わっていきたいと思っています。行政の保健師は数年ごとに部署が変わり、成人保健、介護、母子…と様々な業務を経験できるのが魅力の一つです。色々な経験を積みながら、自分の専門性を高めていきたいです。
南さんにとって、理想の保健師像とはどんな姿ですか?
何か困ったことがあった時に、「あの保健師さんに相談してみよう」と地域の方に思い出してもらえるような、そんな存在になるのが目標です。優しさの中にも、頼りになると思っていただけるよう、日々勉強ですね。
これから保健師を目指す方へ、メッセージをお願いします。
保健師の仕事は、地域で生活するすべての人、つまり赤ちゃんからお年寄りまでが対象です。その人の「一生の健康」を支えることができ、「地域の健康の土台」を支える、本当に素晴らしい仕事だと思います。一人ひとりの声を聴き、生活習慣や健康課題を見つけ、地域の特性に合わせた健康教室などの予防施策の実施や受けた相談から支援制度を形にするなど、子どもから高齢者まで安心して暮らせる地域づくりが仕事です。人と関わることが基本なので、それが好きな方にはすごくやりがいがあるはずです。