インタビュー
「人が育つ」ことが、私のやりがい。
看護の現場を俯瞰で支えるマネジメント職
認定看護管理者
上垣内 佐知子 Kamigaito Sachiko
和歌浦中央病院
認定看護管理者とは、どのようなお仕事なのでしょうか?
一言で言うと、看護の現場における「マネジメントの専門家」です。看護師一人ひとりが専門性を発揮できるよう、また、組織全体として質の高い看護を提供できるよう、人や物、予算などを管理し、仕組みを作っていくのが主な役割です。看護部長として、100名を超える看護部スタッフ全員が、安心して働き続けられる環境を整えることも、私の大切な仕事です。
なぜ、認定看護管理者の資格を取得しようと思われたのですか?
看護師長、副部長とキャリアを重ね、部長への就任が決まった時、正直なところ「このままでは務まらない」という不安がありました。長年の経験はありましたが、大きな組織を動かすには、理論に基づいた知識が不可欠だと感じたんです。そこで、働きながら学べる大学院の夜間コースに通い、「マネジメント」を体系的に学び直すことにしました。
大学院で改めて「管理」を学ぶ中で、どのような気づきがありましたか?
それまでの実践が、理論と結びつくことで、頭の中がすっきりと整理されていく感覚がありました。「あの時のスタッフの反発は、変革における自然なプロセスだったんだ」というように、感情的にならずに物事を俯瞰で見られるようになり、心に余裕が生まれましたね。また、授業のほとんどがディスカッション形式だったので、多様な意見を尊重する姿勢が身につき、現場のスタッフの声にも、より深く耳を傾けられるようになったと感じています。
その学びは、現在のお仕事にどのように活かされていますか?
一番は、人との繋がり、ネットワークができたことです。認定看護管理者の諸先輩方、大学院や研修で出会った、同じ立場の看護管理者仲間とは今でも交流があり、困った時に相談できる心強い存在です。一人で抱え込まずに済む、というのは大きいですね。また、何か新しい取り組みを進める時も、誰に、どのタイミングで声をかければ物事がスムーズに進むか、といった「人の動かし方」を、より戦略的に考えられるようになりました。
看護部長として、大勢のスタッフをまとめる上で大切にされていることは何ですか?
一人ひとりの力を信じて、任せることです。もちろん、相談には乗りますし、責任は私が取ります。でも、失敗から学ぶこともたくさんありますから、まずは挑戦してもらう。そして、できた時にはきちんとその頑張りを認めて伝える。その積み重ねが、スタッフの自信と成長に繋がると信じています。
お仕事の中で、一番のやりがいを感じるのはどんな時ですか?
スタッフの成長を実感できた時ですね。1年目から見ていた職員が経験を積んで、看護の仕事にやりがいを感じながらイキイキと働いている姿を見ると、本当に嬉しくなります。キャリアに悩んでいたスタッフが、資格取得などの新しい道を見つけるなどして、輝いている姿を見るのが、今の私にとって一番のやりがいです。
これから、どんなことに挑戦していきたいですか?
これからも、後輩たちが「この病院(地域)で働き続けたい」と思ってくれるような、より良い職場環境づくりを進めていきたいです。看護の仕事は、大きなやりがいがある一方で、心身ともに大変な場面も少なくありません。だからこそ、AIを活用したシフト管理を導入するなど、DXの力も借りながら、スタッフが無理なく働き続けられる環境を整えたいのです。そして、「看護って、やっぱり素敵な仕事だよね」という本来の魅力を、改めて伝えていきたいと考えています。
管理職を目指す後輩へメッセージをお願いします。
マネジメントの知識は、役職者だけでなく、新人からベテランまで、すべての看護師にとって有用なものです。知識があることで、変化に振り回されず、心に余裕を持って仕事ができます。管理職は、責任も伴い大変なこともありますが、それ以上に大きなやりがいと楽しさがあります。もし少しでも興味があるなら、恐れずに挑戦してみてほしいですね。