大平 昌子

インタビュー

一人の女性と一つの家族の「始まり」に優しく寄り添う。
成長過程を見守りたい

助産院(助産師)

大平 昌子 Ohira Masako

ちひろ助産院

どんなお仕事をされていますか?

助産院は、「助産師の家」のような場所です。医師はいないので医療行為は行いません。私たちの根底にあるのは、「正常な経過をたどる妊娠や出産は病気ではなく、生理的な現象だ」という考え方です。何らかのリスクを抱えた妊婦さんには病院をおすすめしますが、健康な妊婦さんの場合、私たちは医療的な介入を最小限にして、その人らしく自然に出産できるようお手伝いをします。そして産んだ後も、母乳のケアや育児の相談など、一つの家族として成長していく過程を長く支えていくのが、私たちの仕事です。

助産院の助産師として働くきっかけは何ですか?

(スタッフ澤田)私はもともと赤ちゃんが大好きで、中学生の頃から「助産師になりたい」と思ってこの道に進みました。
(スタッフ寺田)最初は総合病院で働いていたのですが、病院ではお母さんと赤ちゃんに関われるのは産後5日ほど。退院後、「あの親子はどうしているだろう」と気になっても、その後の成長を見守ることができませんでした。そんな中で自分自身の出産を経験し、「やっぱり、妊娠から出産、そして育児まで、一人の女性と家族に継続して寄り添える仕事がしたい」という思いが再燃しました。それで、病院を離れて助産院で働くことを決めたんです。

助産院の助産師として、大変なことは何ですか?

助産院で扱えるのは、あくまで「正常な経過をたどる妊娠と出産」だけです。ですから、お母さんと赤ちゃんの様子を注意深く観察し、「これは正常の範囲か、それとも医療の介入が必要なサインか」を見極める、その判断には常に大きな責任が伴います。知識や経験はもちろん、高い観察力とアセスメント能力が不可欠なので、日々の勉強や事例の振り返りは欠かせません。

反対に、助産院ならではのやりがいは何ですか?

一人の女性が「お母さん」になっていく姿、そして新しい家族が生まれて成長していく過程を、すぐそばで見守り続けられることです。病院では分断されがちだった妊娠・出産・育児という時間を、線として捉え、長く伴走できる。その中で深い信頼関係が生まれ、喜びも不安も共有できることが、何よりのやりがいです。

仕事で大切にしていることは何ですか?

思い込みで判断せず、まずはお母さんの話を「よく聴く」こと。そして、赤ちゃんを「よく観る」ことです。赤ちゃんは言葉を話せませんが、泣き方一つとっても、それは単にお腹が空いた、おむつが濡れた、というだけではないサインを送ってくれています。その小さな声に耳を澄ませ、お母さんと赤ちゃんの両方から教えてもらう姿勢を大切にしています。助産師は、自分自身の妊娠、出産、子育てといった人生経験のすべてが力になる、本当に無駄のない仕事だと感じています。

ワークライフバランスについて教えてください。

基本的にスタッフに夜勤はありませんが、お産はいつ始まるかわからないので、当番の際は呼び出しにはいつでも応じられるようにしています。ただ、妊娠中からずっと関わっていますので、「そろそろかな」という予測はある程度立てられますね。お休みはスタッフ同士で希望を出し合い、急な予定が入っても柔軟に交代できる体制にしています。

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