西本 祐美

インタビュー

家だからこそ、叶えられることがある。
その人らしい暮らしに寄り添う看護

訪問看護師

西本 祐美 Nishimoto Yumi

訪問看護ステーションつむぎ

なぜ、訪問看護の道を選ばれたのですか?

高校生の時に見た医療ドラマがきっかけで看護の道へ進みました。学生時代から「訪問看護師になりたい」という思いがずっとありました。在宅看護の実習で、寝たきりの方でも様々な支援を受けながらご自宅で生活されている姿を見て、病気や障害と共に暮らす方々の「生活」そのものをお手伝いしたい、と強く感じたんです。ただ、すぐには自信がなかったので、まずは急性期病院で10年間、内科や外科など様々な科で経験を積んでから、念願だったこの世界に飛び込みました。

訪問看護師は、具体的にどんなお仕事をされていますか?

ご自宅で療養されている方のもとへ伺い、医師の指示に基づいて様々な医療処置を行います。点滴や採血はもちろん、酸素機器や人工呼吸器の管理、傷の処置など、病院で行うようなケアをご自宅で提供します。患者さんの状態は一人ひとり違うので、訪問する回数も週に1回の方もいれば、1日に2〜3回伺う方もいます。24時間対応の体制も整えているので、夜間に緊急の呼び出しがあれば駆けつけます。

病院でのご経験も長いですが、病院と在宅の看護で一番違うと感じる点は何ですか?

病院が「治療の場」であるのに対し、在宅は「生活の場」である、という点です。病院では治療が最優先されますが、ご自宅では、患者さんがこれまで送ってきた「その人らしい生活」を尊重しながら、看護を提供します。不思議なもので、病院では食事が進まなかった方が、ご自宅に帰った途端に食べられるようになったり、表情が明るくなったりすることが本当によくあるんです。住み慣れた環境が、一番の力になるのかもしれません。

これまでで、特に印象に残っているエピソードはありますか?

娘さんの結婚式への参列を諦めかけていた、入院中のお母さんのことが忘れられません。ご本人の「娘の晴れ姿を見たい」という強い思いを叶えるため、病院や結婚式場、往診の先生など、たくさんの人と連携して準備を進めました。そして当日、車椅子で式場へ向かい、ご家族の集合写真に、お母さんも一緒に写ることができたんです。あの時のご家族の笑顔は、まさにチームみんなで勝ち取ったもの。在宅だからこそ実現できた、最高の思い出です。

訪問看護は、多くの方との連携が大切になるのですね。

はい、まさにチーム医療です。医師やケアマネジャーはもちろん、デイサービスや福祉用具、酸素の業者さんなど、本当に多くの方と連携して一人の患者さんを支えます。最近では、関係者がみんな参加できる専用のアプリを使って、患者さんごとにグループを作り、リアルタイムで情報共有をしています。「お薬があと◯日でなくなります」といった連絡もスムーズにできるので、すごく便利になりました。

1日のスケジュールはどのような感じですか?

朝9時から訪問を始め、午前・午後で3〜4件ずつ、合計で6〜7件のお宅を回ることが多いです。滞在時間は、ケアの内容によって30分から1時間半くらいと様々ですね。休憩は、訪問の合間に柔軟に取っています。

これから看護師を目指す方へメッセージをお願いします。

医療ドラマなどでは、なかなか訪問看護師が登場しないので、どんな仕事かイメージが湧きにくいかもしれません。でも、病院で命を救う看護があるように、ご自宅で「その人らしい生活」を支える看護も、同じくらい尊く、やりがいのある仕事です。これから看護師を目指す皆さんには、ぜひ看護の仕事の幅広さを知って、在宅という選択肢にも目を向けてもらえたら嬉しいです。

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