インタビュー
一度社会を知ったからこそ選んだ道。
患者さんの「暮らし」に寄り添う看護がしたい
看護師課程学⽣
濵田 歩未 Hamada Ayumi
和歌山県立なぎ看護学校
なぜ、看護師になろうと思ったのですか?
高校卒業後、地元の診療所で2年間、看護助手として働いたのがきっかけです。それまでは医療の現場を全く知らなかったのですが、そこで働く看護師さんたちの姿に、すっかり魅了され憧れてしまって。専門知識を持って患者さんに接するのはもちろん、不安を抱える方の悩みに優しく耳を傾けたり、緊急時には医師と素早く連携したり。その一つひとつの姿が本当にかっこよくて、「私も、こんな風に人の役に立ちたい」と強く思い、看護師資格取得の道を志しました。
社会人を経験してから、もう一度学生になるのはいかがでしたか?
最初は、同級生たちとの年齢差に「仲良くなれるかな」という不安もありました。でも、いざ始まってみると、勉強や実習を一緒に乗り越えるだけでなく、体育館でバレーをしたり、休みの日に遊びに行ったり、まるで「もう一度、青春!」という感じで、毎日が本当に楽しいです。同じ志を持つ仲間たちと切磋琢磨できる時間は、何にも代えがたいですね。
学校の勉強や実習で、大変だったことはありますか?
初めて患者さんを受け持った、一番最初の実習です。記録一つ書くにしても、そこには大きな責任が伴うこと、一人の人の命を預かることの重大さを、身をもって感じました。脳梗塞の後遺症で、うまくお話ができなかったり、麻痺で思うように動けなかったりする患者さんだったのですが、どうすればその患者さんの力になれるか、必死で考えた2週間でした。
特に印象に残っている実習でのエピソードがあれば教えてください。
別の実習で受け持った、やはり脳梗塞の患者さんのことです。その方は病気になったことに落ち込み、リハビリへの意欲も失いかけていました。私は、とにかくコミュニケーションを重ね、痛みの訴えに「辛いですね」と共感し、寄り添うことを意識しました。すると、少しずつ信頼関係が生まれ、患者さんの方から話しかけてくれるようになったんです。最後には「一緒に散歩に行ってほしい」とまで言ってくれて。実習の最終日に涙ぐみながら「ありがとう」と言っていただけた時、「ああ、本当にこの患者さんの役に立てたんだ」と、胸がいっぱいになりました。
将来、どんな看護師になりたいですか?
実習を経験する中で、在宅看護の分野にとても興味を持つようになりました。病院はチーム全体で多くの患者さんを支え「治療」する場なので、一人ひとりのケアにかけられる時間には限りがあります。それに対して在宅看護では、より深く一人の患者さんと向き合い、その方の生活やご家族の背景まで含めて、じっくりと看護を考えられる点に大きな魅力を感じています。実は今、私の祖父母も認知症で、母が懸命に介護をしています。その姿を見ていると、ご家族の負担を軽くしながら、ご本人が望む場所で過ごせるようお手伝いすることの大切さを、痛感するんです。「患者さんの立場になって考えること」を常に忘れず、忙しさを言い訳にしない、そんな看護師になるのが目標です。
これから看護師を目指す方へ、メッセージをお願いします。
看護師になるまでの道のりは、課題も実習も多くて、確かに大変です。でも、人の体の仕組みなどを学ぶのは、知的好奇心をくすぐられる面白さがありますし、何より、人の役に立てる、社会に貢献できる、本当にやりがいのある仕事です。この仕事には「完璧な正解」がありません。だからこそ、働き始めてからも「もっと良くするにはどうしたらいいだろう」と考え続け、成長し続けられる。そこが、看護という仕事の一番の魅力だと思います。