林 ミユキ

インタビュー

命をつなぐ「救急」と日常を守る「感染管理」。
2つの視点で地域医療の最前線に

認定看護師

林 ミユキ Hayashi Miyuki

紀和病院

なぜ認定看護師になろうと思われたのですか?

最初のきっかけは、東日本大震災での災害救護活動でした。現地で活動する中で、自分の無力さを痛感したんです。和歌山に戻った後、ちょうど県が災害対応できる看護師の育成を強化することになったんです。当時の看護部長から「やってみない?」と背中を押され、救急看護の認定課程に進むことを決意しました。その後、新型コロナウイルスの流行で、救急の知識だけでは、患者さんも、そして私たち医療者自身も守れないと感じ、さらに感染管理の認定看護師資格も取得しました。

認定看護師とは、具体的にどのようなお仕事なのでしょうか?

私の持つ「救急」と「感染管理」では、少し役割が異なります。救急は、自らの実践を通して、現場の看護の質を高めていくイメージ。一方で感染管理は、病院全体を俯瞰し、多くの部署や職種を動かしていく「管理」の側面が強いです。旗振り役として会議で方針を決め、全部署へ展開していく。看護というより、病院全体のオペレーションをデザインするような仕事ですね。

感染管理の具体的な活動を教えてください。

専従の担当者として、感染対策チーム(ICT)で週に一度、全病棟をラウンドし、マニュアルが守られているかを確認・指導します。院内だけでなく、地域の介護施設などへ出向いて、感染対策の研修を行うことも大切な仕事です。会議が多いので、一見すると地味に見えるかもしれませんが、病院全体の質を守る、重要な役割だと自負しています。

資格を取得したことで、ご自身の中で変わったことや、特に「取って良かった」と感じる瞬間はありますか?

患者さんを見る「目」が変わりました。特に救急の現場では、限られた情報の中で「命を落とさせない」ための初動がすべてです。以前、緊急搬送された大動脈解離の患者さんを、チームで迅速に初期評価し、大学病院へつないだ結果、無事に回復されたケースがありました。後日、歩いて「命を助けてくれてありがとう」と伝えに来てくださった時は、あの時の判断が間違っていなかったと、心から嬉しかったですね。

お仕事をする上で、一番大切にされていることは何ですか?

3つあります。1つ目は、患者さんを病気の面だけでなく「生活者」として見ること。2つ目は、時間厳守。相手の時間を奪わないよう、常に時間を意識して行動します。これは認定課程で厳しく教え込まれました。そして3つ目は、オンとオフをしっかり分けること。よく学び、よく遊ぶ。院内のテニスサークルで汗を流す時間が、良いリフレッシュになっています。

今後のキャリアについて、どんな風に考えていらっしゃいますか?

せっかく2つの資格を取らせてもらったので、この専門性を活かしながら、次の世代へバトンを渡していく役割を担えたら、と考えています。認定看護師と聞くと難しく感じるかもしれませんが、きっと誰にでもチャンスはあるはず。看護の世界はこれからもっと専門性が高まっていくと思うので、多くの人にキャリアアップに挑戦してほしいですね。

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